〜 布教師会からの報告 〜
ペットの供養について
東京都南部布教師会1月の例会「ペットの供養について」
年数回開催される布教師会例会では、布教や法話の話題作りの参考としての研修や意見交換を行なっています。宗教・寺院などに対する社会の意識を探り、いかに対応するかを考えることも僧侶の重要な修行です。
今回のテーマは「ペットの供養について」。
高齢化や単身者の増加など家族の形態が変化する中で、家族の一員となっているペットの死をどうとらえたらよいかを考えました。
「もしお檀家さんからペットの葬儀をして欲しいと言われたら?」「先祖代々のお墓にペットを埋葬したいと言われたら?」そんな現実的な場面を想定した実践的研修となりました。
まず仏教の教義的にペット供養をどうとらえるかという観点から、布教師会員の関戸堯海師から報告をいただきました。
- 仏教では「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天」の六道輪廻をくりかえすと説かれている。
- 法華経には一念三千が示され、凡夫の一瞬の心に三千の世界が具わることを説く。此のことから草木成仏論など極端な理念も示されるようになった。仏界と人界・畜生界・地獄界が同じと説くのではなく、十界にも仏となる可能性があることを説いているのである。
- 上記のような原則を踏まえての対応が必要である。
つぎにペット霊園を経営している町田寿量寺住職 戸田周良師から、ペット供養の現状を報告いただきました。
- 毎日のようにペットの墓参に来る人もいる。
ペットが死んでからも感謝の思いを届けている姿に尊いものを感じる。 - 人間と共に暮らしたペットの霊にお題目の供養を捧げる真心が一切の業を浄化させ成仏につながる。
- 火葬・納骨・彼岸動物供養会・月例供養会などの運営について報告
その後、質疑応答・意見交換を行ないました。
ペットが死んで心に深い傷を負うペットロスから立ち直るためにも葬儀や供養は重要なグリーフワークの場面となります。ペットの墓にお参りすることが生きる支えになることもあります。各地にペット霊園や納骨堂が増えていますが、業者主導ではなく、法華経の信仰により飼い主もペットも仏に導かれる日蓮宗寺院のペット供養の施設も大切であると感じました。
このホームページの「管内各寺院の紹介」からペット供養を行なっている寺院の紹介をしています。
なお、町田寿量寺付属「真心動物霊園」のホームページはこちらです。↓
http://www.magokoro-pet.co.jp/