歩いて終活 寺町ウォーキング
宗務所(石井隆康所長)は、「歩いて終活 寺町ウォーキング」を2月6日に実施し、檀信徒ら23人が参加した。
この寺町ウォーキングは、僧侶と話しながら管内寺院を巡り歩き、各寺院での講演や催しを通して、「終活」について考えていこうというもの。第1回目の今回は、「臨終と看取り―今際の際に何を思う?―」をテーマに、東京都品川区の荏原町から、西小山、碑文谷を経由し、目黒区都立大学まで歩いた。
荏原町法蓮寺(澁谷幸道住職)を出発した一行は、散策しながら西小山の摩耶寺(安藤正道住職)を参詣。堂内では今田忠彰師(妙徳教会担任)により、「高齢化と看取り」と題して講演が行われた。
訪問介護・訪問看護、グループホームの「妙徳ビハーラ」に携わる今田師は、高齢者介護の現場での体験を交えながら、臨終を迎えるまでの心持ちについて講演。その中で「人は生きてきたように死んでゆく」と座右の銘を述べ、お釈迦樣と日蓮聖人、家族から「良く生きたね」と言われるように、自分らしく精一杯生きることの大切さを説いた。
結びに「まず臨終のことを習うて、後に他事を習うべし」と日蓮聖人の教えを引き、「終わりがあるからこそ、今をしっかりと生きることができる。看取り看取られる人生、いつか自分が看取られる時に後悔しないよう、一日一日をしっかり生きて欲しい」と真摯に語った。
摩耶寺を後にした一行は、立会川緑道を進み、目黒区碑文谷の天台宗圓融寺(旧碑文谷法華寺)へ。国の重要文化財であり、都内最古の木造建築の釈迦堂や、旧法華寺時代に建立された中老僧日源上人の供養塔を参拝した。
その後、すずめのお宿緑地公園、鉄飛坂の帝釈天に立ち寄りながら、今回の終着地である中根立源寺(石井隆康住職)に到着。
立源寺では、疲れを癒す茶話会がもたれた後、唱題行・入棺体験が行われた。参加者は唱題に包まれながらスタッフ手製の棺に入り、お棺の中で拝まれる立場を疑似体験した。
「頭上からお題目が降り注ぐようで安心した」「自分のためにお題目を唱えてくれていると思うと嬉しかった」との参加者の感想に、スタッフの教師も、「亡き方に安心してもらえるように、一生懸命お題目を唱えてお送りしなくては」と思いを新たにした様子だった。
この「歩いて終活 寺町ウォーキング」は、第2回目(池上本門寺周辺)が4月2日、第3回目(蒲田~羽田)は6月4日に実施予定。詳しくは東京都南部宗務所まで。
(古河通信員)