〜 声明師会からの報告 〜
第18回厳島千畳閣(せんじょうかく)法華経読誦施餓鬼法要
開催日: 2013年11月06日
平成25年11月6日、広島県廿日市市宮島において「第18回厳島千畳閣法華経読誦施餓鬼法要」が日蓮宗声明師会連合会有志各聖と地元広島県声明師会により執り行われた。
宮島千畳閣は、豊臣秀吉が朝鮮出兵に関わる戦没将士を慰霊する為に、毎月一度千部経を読誦する場所として、政僧・安国寺恵瓊(あんこくじえけい)に建立を命じた大経堂。畳857枚分の広さがあることから「千畳閣」と呼ばれるようになったが、秀吉の死により工事が中断され、板壁も天井の板もない未完成のまま現在に至る。
千畳閣の本尊は行基作と伝えられる釈迦如来座像だが、明治初年の神仏分離令のため大願寺へ遷されている。千畳閣自体は厳島神社の末社の豊国神社として秀吉公・清正公とを号する祭神を祀っている。
千畳閣に於いての法華経読誦施餓鬼法要への動きは、平成7年9月、広島市本山國前寺で行われた日蓮宗声明師養成講習所終了後、声明導師である早水日秀師と当時の声明師連合会会長である南條孝仁師をはじめとする講師陣が厳島神社を参詣したことに始まる。
平清盛が一門の平安を願って法華経28品を含む写経33巻を納経した厳島神社。そして、豊臣秀吉が千僧供養を発願しものの、未完のままの千畳閣。そこに訪れた一行の胸に、「この地で法華経を読みたい――」という想いが湧き起こったとのこと。
延べ1000人の僧侶によるご供養も残すところあと2回の法要で達成できる模様。日蓮宗声明師会連合会としては第20回(2年後)を一応の区切りとしている。