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物語 #:160
僕が合掌する時。それは人間の自利だけ、つまり利己のせいで他の生物を殺めてしまった時です。
中学2年生の時、両親と出かけた際、道路で腸が体外に出ている猫を見ました。父に車を止めるように言うと「死んだ者のことを考えるとキリがないぞ」と言われました。それでも抵抗をしていると車を引き返してくれました。
降車して猫に近づくと言葉が出ませんでした。すると母が「言葉はいらないよ」と言いながら両手を合わせました。その意味をすぐに理解した僕は、そこで初めての心を込めた合掌をしました。
by:TM
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