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第2回「歩いて終活 寺町ウォーキング」

開催日: 2016年04月02日

【東京南】宗務所(石井隆康所長)は第2回「歩いて終活 寺町ウォーキング」を
4月2日に実施し、檀信徒ら30名が参加した。今回は、「お骨とお墓―お骨の気持ちで
お墓めぐり―」をテーマに、大本山池上本門寺周辺を歩いた。

出発地の大坊本行寺(中野日演貫首)で法味言上の後、小谷みどり(第一生命経済研究所・
主任研究員)により「だれが墓を守るのか」と題して講演が行われた。死生学・生活設計論を専門に研究する小谷氏は、近年社会問題の一つとされている墓の無縁化について講演。
高齢世帯の核家族化を背景に、子々孫々でお墓の継承の形が大きく変容していること、
それに伴ってお墓の形も多種多様に変わってきていることを指摘。「死者を偲び、追悼する生者がいる間は、死者は無縁にならないし、死者は生者のなかで生き続ける。誰もが安心して死を迎えられる社会の実現のためには、死にゆく人、遺される人の両方の観点から、お墓のあり方を考えていかなければならない」と語った。

 続いて一行は大坊本行寺の樹林墓地「そせい」を見学し、池上本門寺開基檀越池上家墓所、
本門寺歴代廟、池上廟を参拝。散策途中、池上本門寺(菅野日彰貫首)で行われた五重塔花まつり法要を参詣した。
その後、照栄院(石川龍彦住職)の「久遠林 永代供養廟」参詣し、石川ご住職が照栄院の縁起、久遠林の仕組み、運営についての詳細を話された。

 最後に訪れた永寿院(吉田尚英住職)では、同寺の万両塚遺跡霊園内にある合祀墓カロートにて、教師の読経に包まれる中お墓への入室体験が行われた。体験後、「はじめてお墓に入ってみたが、不思議な気持ちになった。真っ暗なカロートの外から聞こえるお上人たちの読経の声、他の参加者たちの声がとても安心感を与えてくれた」穏やかな面持ちで話す参加者の感想が印象的だった。

 最後にフリートークが行われ、参加者の一人は、「お寺のご住職から直に墓地の説明や思いを聞くことができ、それぞれのお寺によってお墓の特色があることがわかった。お墓を選ぶには立地条件等あるが、墓地をお守りしている僧侶の人柄、考え方も重要なことだと思う」
と語った。

第3回(蒲田~羽田)は6月4日に実施予定。詳しくは宗務所(☎03・3753・5547)まで。

(磯野通信員)