Q&A

仏事(基本)

位牌とは・・・

亡くなられた方の法号(戒名)あるいは俗名(生前の名前)を記し依代(よりしろ)として拝む仏具です。
大きく分けて、以下の三つがあります。

  • 内位牌(うちいはい=白木位牌・仮位牌)
    ・・・亡くなった後すぐに作り四十九日まで用いる位牌です。墓前に置く野位牌もここに含まれます。
  • 本位牌(ほんいはい)
    ・・・四十九日からお祀りするもので、漆塗りのものが主流です。いつも仏壇に安置して亡き方の霊をご供養する対象となります。
  • 寺位牌(てらいはい)
    ・・・菩提寺に納める位牌。位牌堂や本堂に安置し、朝夕の勤行の際にご供養頂けます。

布施とは・・・

他者に与えることをいいます。主なものに以下の三つがあります。

  • 財施(ざいせ)・・・檀信徒が僧侶に対してお金や品物を施すこと。
  • 法施(ほうせ)・・・僧侶が檀信徒に対してお釈迦様の教えを説くこと。法を施すこと。
  • 無畏施(むいせ)・・人々の恐れを取り除いて安らぎを与えること。

ご先祖様のためにお経をあげてもらった時僧侶にお布施を渡しますが、読経(サ ービス)に対する対価ではありません。お互いに財施、法施を施しあったという ことになります。
真の布施とは施す者、受ける者、施される物について邪念なく清浄であること がもとめられます。

「本堂」とは・・

お寺には各種のお堂がありますが、その中心に位置し、ご本尊をおまつりして いるお堂のこと。宗派によっては金堂と呼んでいたり、仏殿と呼ばれていると ころもあります。日蓮宗の場合は、大寺院では本堂のほかに日蓮聖人を安置す る祖師堂や釈尊を安置する釈迦堂(または本師堂)が並べて建てられています。 しかし一般寺院においては釈迦堂と祖師堂が一つになっており、これを本堂と 呼んでいます。

お位牌が仏壇の中にいっぱいになったら・・・

仏壇の中がいっぱいでもよい方はそのままに。大きな仏壇にお祀りし直したい方で、菩提寺をお持ちの方は、新調される前に菩提寺の住職にご相談ください。
お位牌はどんなに大切にしていても長い年月が経つうちに、古くなったり傷ついたりしますし、新しい位牌と取り替えたくなる気持ちや増えすぎてしまった位牌を少し整理したくなる気持ちも起こってくるでしょう。しかし、古くなったとはいえ、長年家族が手を合わせ、拝んできた位牌を簡単に捨ててはいけません。菩提寺の住職に相談してお位牌の魂抜きのご供養をしていただき、魂を抜いてもらった位牌は「お焚き上げ」をしていただきましょう。
もし仏壇に「先祖代々」位牌を祀っていらっしゃったら、抜いていただいた方の魂を「先祖代々」のお位牌に移していただきましょう(開眼供養)。先祖代々の位牌がない場合は、新しく「先祖代々」の位牌を作って、住職に魂を移していただきましょう。
また、菩提寺が遠くてという方は菩提寺の住職に家の近所のお寺を紹介してい
ただくと良いでしょう。菩提寺をお持ちでない方は、近所のご自分の宗旨と
同じお寺に相談に行ってみるのも良いでしょう。

日蓮宗とは

開祖

 日蓮聖人。日蓮聖人は貞応元年(1222年)2月16日、現在の千葉県鴨川市小湊にお生まれになりました。16歳の時、誕生誕生の地にほど近くの清澄寺において出家得度されます。
 その後、鎌倉や比叡山等で諸経や諸宗の教えを学び、お釈迦樣の教えの真実は法華経(『妙法蓮華経』)にあり、法華経こそが人々を救済する教えであることを信解されました。
 建長5年(1253)4月28日、昇る朝日に向かって「南無妙法蓮華経」と唱えられ、清澄寺において人々の前で法華経信仰を説かれたことが伝えられます。今日、日蓮宗では日蓮聖人が法華経を弘めようと宣言されたこの日を「立教開宗」の日と定めています。
 日蓮聖人は、すべての人々を救い、この世界を平和な仏国土とするために、数々の法難にもくじけることなく、法華経の流布にその身を捧げられました。 晩年の9年間は山梨県の身延山で過ごされ、弘安5年(1282)10月13日に、現在の東京都大田区池上の地において、61年間の生涯を閉じられました。

本尊・信仰の対象

日蓮宗では久遠実成のお釈迦樣をご本尊とします。一般的に、お釈迦樣はインド(現ネパール領)で王子としてお生まれになり、出家の後長い修行を経て、ブッダガヤの菩提樹の下で初めてお悟りを開かれたことは広く知られるところです。
 ところが、実はお釈迦樣はインドでお生まれになるよりもはるか昔に誕生され、お悟りを開かれていたということが、『妙法蓮華経』の16番目の「如来寿量品」において説き明かされます。はるかな昔、すなわち、久遠の昔に悟りを開かれたということで、「久遠実成」と言うのです。
 久遠実成のお釈迦様は、永遠の存在で、つねに私たちの住むこの世界を見守られ、助けて下さることが「如来寿量品」には説かれています
 日蓮宗の本尊は、その表わす様式によって大別すると、

  1. 木造で表わされた仏像
  2. 大曼荼羅(久遠実成のお釈迦樣の悟りを「南無妙法蓮華経」で表わし、諸仏や諸尊がこの妙法に帰着している境界を紙上に図で示されたもの)

以上の2種の形式があります。両者は表現の違いはあっても、ともに久遠実成のお釈迦様の救済の世界を表わしていることは同じです。

信仰の経典

法華経。八巻。原題は「Saddharma-pundari-ka-sutra」といいます。シルクロードを経由して中国に伝えられた仏教の経典は、漢文に翻訳されました。『法華経』の漢訳には3種類が現存していますが、その中でも鳩摩羅什が訳した『妙法蓮華経』が最も広まっており、今日、一般的に法華経といえば羅什訳の『妙法蓮華経』を指します。
 その後、中国の天台宗の開祖である天台大師智顗は、インドから中国に移入された膨大な量のお経典を分類・整理し、すべての教えが法華経にまとめられるとし、これを弘められました。時代が下り、智顗の法華経解釈は日本天台宗の開祖である伝教大師最澄へ伝わり、そして鎌倉時代の日蓮聖人に引き継がれました。
 法華経は「序品第一」から「普賢菩薩勧発品第二十八」までの全八巻・二十八品で構成されています。その教えの中心は、久遠のお釈迦樣の終わることのない永遠の救済によって、全ての人々が等しく成仏できることにあります。

三宝

本尊とは?

信仰の根本的な対象として尊崇する、仏・菩薩・曼荼羅などのこと。宗派によって尊崇する本尊は異なります。
 日蓮宗では『妙法蓮華経』の「如来壽量品第十六」において開き顕わされた、久遠実成のお釈迦樣を本尊とします。
 その形態は、木造の仏像で表わされた仏像と、久遠実成のお釈迦樣の悟りを「南無妙法蓮華経」で表わし、「南無妙法蓮華経」を中心として諸仏や諸尊が一つにまとまった世界を図で示した大曼荼羅があります。両者は表現の違いはあっても、ともに久遠実成のお釈迦様の救済の世界を表わしていることは同じです。

宗派によって本尊が違うの?

 宗派によって尊崇する本尊は異なります。それは、「八万四千の法門」と言われるように、膨大な数が存在するお経典の中から、どのお経典に重きをおいて帰依をするか、またどの諸仏や如来を信仰するか、宗派ごとに異なるからです。

菩薩とは?

初期の仏教では、お釈迦様の前世における呼称として用いられていましたが、大乗仏教が興って以降は、仏となるべく修行する人々や、または悟りを求める人を意味します。原語は梵語の「bodhisattva」。
菩薩は自分一人の悟りだけを求めて修行するのではなく、慈悲の精神をもって他の人々を教え導き(利他行)、この現実社会の仏国土化に努める人々のことを指します。
 大乗仏教の信仰をもって、自分と他者の幸せの為に行動する人は誰しも菩薩であると言えます。
 特に高位の菩薩(文殊・普賢・観世音・地蔵等)は信仰・礼拝の対象として崇められます。